新作イラスト、仕事9点、個展のオリジナル作品7点を更新しました。よろしかったらご覧ください。
3月10日から竹尾見本帖本店で開催されていました
「新・和本装丁 イラストレーションとデザインで詠む万葉集展」が
昨日、無事終了いたしました。
お越しいただいた皆さま、気にかけてくださった皆さま
コロナ禍の中、どうもありがとうございました。
会場では好きなカバー3種を選んでいただいて装丁本も販売しましたが
沢山の方々にお買い上げいただいたようで、ありがたかったです。
また私のカバーを選んでくださった皆さま
本当にありがとうございました!
私は
「春日山おして照らせるこの月は妹が庭にも清けかりけり」
作者不詳 巻七・一〇七四
という歌をテーマにイラストを描きました。
沢山の歌を一つ一つ読んでみて、この歌のイメージが
心の中でくっきりと浮かび上がって見えたのと
恋心を静謐に表現しているところが素敵だと思ったからです。
月を見て「あの人も同じ月を見ているのかな?」
なんて想った甘酸っぱい時代もあったような無かったような。。
その人と自分を繋ぐのは月の光だけなんですよね。
そんな静かなロマンチシズムを感じる歌です。
カバーは、いつの時代も人の心と在りようは変わらないという
万葉集の普遍的なイメージを表現したいと思い
満天の星空を描きました。
私は装丁家の小川恵子さんとペアを組んで参加しましたが
小川さんのお仕事は以前から拝見していて
いつも、この本の中にどんなお話が詰まっているのだろう?と
ワクワクとさせてくれる鮮やかなデザインをされていて
素敵だなと思っていました。
今回、ご一緒できて嬉しくありがたかったです。
カバーのデザインは「そうきたか!」という驚きがありました。
「ポイントの無いイラスト」
というのが、今回のカバーのポイントなのではと思います。
ラフでは天の川を表一に描く構図で提出したのですが
小川さんは、天の川を折り返しに移動したいと
「古川さんのイラストなら色鉛筆のテクスチャーだけで
見せられると思います。」と言ってくださったのですが
そんな小川さんの、目から鱗のような感性に触れられたのも
貴重な体験でした。
一見静かだけれど雄弁に語っているようにも見える
カッコいいカバーに仕上げていただき感謝しています。
他の方々の作品も拝見していて
それぞれのアプローチや仕上がりが興味深く面白かったです。
20組の個性炸裂という感じで。。でも皆さんプロとして
バリバリお仕事されている方ばかりなので、見応えがありました。
そして展示の準備や、期間中盛り上げてくださった
協会員の皆さん、本当にありがとうございました。